デジタル大辞泉
「戦慄」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
わなな・く【戦慄】
〘自カ五(四)〙
① 恐れや
緊張、また、寒さ、病気などのために、体、
手足などが小刻みに
ふるえる。ぶるぶるふるえる。戦慄
(せんりつ)する。おののく。
※
古事記(712)中「手足和那那岐弖
(ワナナキテ)〈此の五字は、音を以ゐる〉得殺したまは
ざりき」
※狭衣物語(1069‐77頃か)二「御几帳の中をすべり出でさせ給も、わななかれて、とみにも動かれさせ給はざりけり」
② 音や声がふるえる。ふるえ声になる。
※枕(10C終)一四二「
神楽の笛のおもしろくわななき吹きすまされてのぼるに」
③ 整然とした形にならないで、乱れた状態になる。ざわめく。動揺する。
※
落窪(10C後)二「下臈の物見んとわななき騒ぎ笑ふこと限りなし」
[
補注]
恐怖のため震えるの意を表わす語には、ほかにヲノノクがあり、これは、ワナナクの
母音交替した形と考えられる。
わななかし【戦慄】
〘形シク〙 (動詞「わななく(戦慄)」の
形容詞化) 恐れや緊張などのため、ふるえが起こりそうになるほどである。
※夜の
寝覚(1045‐68頃)一「物などを言ひまぎらはし、さらぬ顔にと思ふ心地も、いとわななかしくわびしけれど」
わななき【戦慄】
〘名〙 (動詞「わななく(戦慄)」の
連用形の
名詞化) ふるえること。恐れや緊張などのため、からだや声がふるえること。せんりつ。
※宇津保(970‐999頃)蔵開下「水のわななきして、汗にしとどに濡れて、かがまり伏し給へれば」
わななか・す【戦慄】
〘他サ四〙 わななくようにする。恐れや緊張などのため、からだや声をふるえさせる。
※
古本説話集(1130頃か)四四「いで、さは詠めといへば、程もなく、わななかして、うち出だす」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「戦慄」の読み・字形・画数・意味
【戦慄】せんりつ
おそれおののく。〔戦国策、楚四〕襄王之れを聞き、顏色變作し、身體戰慄す。是(ここ)に於て、乃ち執珪(しつけい)を以て之れ(荘辛)に授けて陽陵君と爲し、淮北の地を與ふ。字通「戦」の項目を見る。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報