戸無瀬（読み）トナセ

デジタル大辞泉

となせ【戸無瀬】

京都、嵐山付近の地名。また、大堰川おおいがわの古名。［歌枕］
「惜しめどもよもの紅葉は散りはてて―ぞ秋のとまりなりける」〈金葉・秋〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

となせ【戸無瀬】

[一] 京都市西京区嵐山、渡月橋の上流の古地名。紅葉の名所。戸難瀬。歌枕。

※恵慶集（985‐987頃）「大井河かはべの紅葉ちらぬまはとなせの岸にながゐしぬべし」

[二] ＝となせ（戸無瀬）の滝

※散木奇歌集（1128頃）冬「となせよりながす錦は大井河いかだにつめるこのはなりけり」

出典　精選版 日本国語大辞典

日本歴史地名大系

戸無瀬
となせ

• 京都市：西京区
• 上山田村
• 嵐峡
• 戸無瀬

歌枕。歌学書「八雲御抄」の「瀬」の項にあげられる。

＜資料は省略されています＞

嵐山の紅葉や、大堰川の景物の筏、鵜飼などとともに詠まれている。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」