所化(読み)しょけ

精選版 日本国語大辞典 「所化」の意味・読み・例文・類語

しょ‐け【所化】

〘名〙
仏語仏菩薩などにより教化されること。また、教化を受ける者。⇔能化
法華義疏(7C前)二「我及諸子若不時出。必為所焼者。我譬能化仏諸子譬所化衆生」 〔無量寿経‐上〕
② 仏語。教化すべき世界衆生世間をいう。
③ 仏語。修行学習中の僧。また広く寺に勤める役僧をいう。
※日蓮遺文‐報恩抄(1276)「我弟子等に向はせ給ひて法華経に勝れたる御経ありと説かせ給はば、其の所化の弟子等信用すべしや」
化け物
浄瑠璃井筒業平河内通(1720)一「有常も疑はしく狐狸の所化かと、暫しがほどこそ紛ひつれ」

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デジタル大辞泉 「所化」の意味・読み・例文・類語

しょ‐け【所化】

仏・菩薩ぼさつなどにより教化きょうけされること。また、教化を受ける者。⇔能化のうけ
教化すべき世界。衆生世間をいう。
師の教えを受けている、修行中の僧。弟子。また広く、寺に勤める役僧。
ばけもの。
「有常も疑はしく狐狸の―かと、暫しが程こそ紛ひつれ」〈浄・井筒業平〉

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「所化」の意味・わかりやすい解説

所化
しょけ

仏教用語。教え導かれて,仏教で救済され,また悟らされるべき者をいう。能化 (のうけ) の対。俗には,一人前でない,修行中の僧のこともいう。

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