所記(読み)しょき

精選版 日本国語大辞典 「所記」の意味・読み・例文・類語

しょ‐き【所記】

〘名〙
① 書きしるされている事柄。書きしるすところ。
正法眼蔵(1231‐53)出家功徳「龍樹祖師、すなはち世尊金口の所記なり」
② (signifié の訳語) 言語記号によって意味される概念をさしていう。ソシュールによって規定された用語で、音響の面を能記と称するのに対する。シニフィエ

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デジタル大辞泉 「所記」の意味・読み・例文・類語

しょ‐き【所記】

書物文書に書かれている事柄。書きしるすところ。
「前条―の論説果して是ならば」〈福沢学問のすゝめ
ソシュールの用語。能記のうきとともに言語記号を構成する要素。言語記号によって意味される内容。シニフィエ。→能記

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世界大百科事典(旧版)内の所記の言及

【ソシュール】より

…言語とは,人間がそれを通して連続の現実を非連続化するプリズムであり,恣意的(=歴史・社会的)ゲシュタルトにほかならない。したがって,言語記号は自らに外在する指向対象の標識ではなく,それ自体が〈記号表現〉(シニフィアンsignifiant)であると同時に〈記号内容〉(シニフィエsignifié)であり,この二つは互いの存在を前提としてのみ存在し,〈記号〉(シーニュsigne)の分節とともに産出される(なお,かならずしも適切な訳語とはいえないが,日本における翻訳紹介の歴史的事情もあって,signifiantには〈能記〉,signifiéには〈所記〉の訳語がときに用いられる)。これはギリシア以来の西欧形而上学を支配していたロゴス中心主義への根底的批判であり,この考え方が次に見る文化記号学,文化記号論の基盤になったと言えよう。…

※「所記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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