手品(読み)てじな

精選版 日本国語大辞典 「手品」の意味・読み・例文・類語

て‐じな【手品】

〘名〙 (「てしな」とも)
① 手なみ。腕前のほど。
今昔(1120頃か)二五「只君と我とが各の手品を知らむと也」
② 手の様子。手のぐあい。手つき。手さばき。手ぶり。
※文机談(1283頃)五「御てしなも御ばちをとも、ゆゆしくぞきこえさせ給し」
③ 巧妙な手さばきで人の目をくらまし、種々の不思議なことをやって見せる芸。てづま。
※俳諧・桜川(1674)秋「秋風に手品もあらぬあふぎ哉〈春信〉」
東京朝日新聞‐明治三七年(1904)一〇月一五日「手品あり、滑稽戯あり、操り人形あり」
④ 人をまどわし、たぶらかす手段

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デジタル大辞泉 「手品」の意味・読み・例文・類語

て‐じな【手品】

巧みな手さばきで、人の目をくらまし、不思議なことをしてみせる芸。奇術。「手品の種あかし」
人の目を別にそらして人をあざむくための手段や方法のたとえ。マジックトリック。まやかし。「言葉手品を使ってだます」
手並み。腕前。
「ただ君と我とがおのおの―を知らんとなり」〈今昔・二五・三〉
手つき。手振り
けんの―の手もたゆく」〈浄・冥途の飛脚
[類語](1奇術マジック/(2手管手練詐術

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「手品」の意味・わかりやすい解説

手品
てじな

巧妙な技術で人の目をだます芸能の一種。手妻 (てづま) ともいう。西域から中国に入った幻術幻戯が奈良時代に散楽とともに輸入され,その散楽を通して田楽法師などに伝えられた品玉 (しなだま) ,輪鼓 (りゅうご) などの技芸から展開したものと考えられる。中世では放下師 (ほうかし) がこれらの技芸の継承者であった (→放下 ) 。手品という名称は江戸時代からで,生きガモ3羽を空籠から出してみせた都右近などが知られている。明治以後は,大がかりな機械を用いる西洋の奇術も取入れられた。

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改訂新版 世界大百科事典 「手品」の意味・わかりやすい解説

手品 (てじな)

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百科事典マイペディア 「手品」の意味・わかりやすい解説

手品【てじな】

奇術

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「手品」の意味・わかりやすい解説

手品
てじな

奇術

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世界大百科事典(旧版)内の手品の言及

【奇術】より

…合理的な手段を用いて人工的な奇現象を創造し,みる人を楽しませることを目的とした芸能もしくは娯楽。〈手品〉〈手妻〉などともいう。紀元前後,アレクサンドリアのヘロンが祭壇で火を燃やすと,神殿の扉が開くといった自動装置をいくつか発明したが,トリッキーな奇術的発想はあっても,芸能的要素がないため奇術とはいいがたい。…

【柳川一蝶斎】より

…日本手品師。(1)初代 生没年不詳。…

※「手品」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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