手沢（読み）しゅたく

精選版 日本国語大辞典

しゅ‐たく【手沢】

〘名〙 器物に付着した手の触れた跡のつや。しばしば用いるためについた手あか。転じて、故人が側近く置いて愛用したもの。

※惺窩文集（1627頃）三・寄林三郎「其手沢者它以可_レ為_二敝箒_一、余以為_二千金_一、可_レ笑可_レ笑」

※俳諧・新花摘（1784）「原本と引あはせ見るに、いささか秋毫のたがひもあらず、よく其角が手沢を失はざるものなり」 〔礼記‐玉藻〕

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

しゅ‐たく【手沢】

１ 長く使っている間に、手のあぶらがついて自然に出たつや。転じて、故人が身近において愛用したもの。
２ 「手沢本」の略。
[類語]手垢

出典　小学館

普及版 字通

【手沢】しゆたく

使いなれてよごれる。遺愛の品。〔礼記、玉藻〕沒しての書を讀むこと能はざるは、手澤存すればのみ。母沒して杯圈(はいけん)（お椀の類）飮むこと能はざるは、口澤の氣存すればのみ。

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出典　平凡社「普及版 字通」