手盛(読み)テモリ

デジタル大辞泉 「手盛」の意味・読み・例文・類語

て‐もり【手盛(り)】

自分自身食べ物食器に盛ること。「手盛りの飯」
自分勝手に自己利益を図ること。→御手盛おても
郎中の官でありつる春と云ふ者を、―に丞相にないたほどに」〈史記抄・淮南衡山伝〉
計略策略
「泣き沈むを無理やりに番屋へ押し込み、―を食うて伝八が外からしゃんと閉めくくり」〈浄・浪花鑑

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「手盛」の意味・読み・例文・類語

て‐もり【手盛】

〘名〙
① 自分で自分の食物を食器に盛ること。
浮世草子好色一代男(1682)四「めしを手もりに、茄子香の物をもらひて」
② 自分に都合のいいように、物事をとりはからうこと。多く「お手盛り」の形で用いられる。
※杜詩続翠抄(1439頃)九「指揮存顧託 手もりにした也」
③ 自分のはかりごとに自らはまること。→てもりを食(く)う
※俳諧・石車(1691)一「其方手もりのけがとも音信申中にも〈略〉物覚への悪敷菜喰のために是を遣しける」

て‐ざかり【手盛】

〘名〙 技芸的にもっともさかんな年代
風姿花伝(1400‐02頃)七「年年去来とは、幼かりしときの粧ひ、初心時分のわざ、てざかりの振舞、年寄りての風体

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