払拭(読み)ふっしき

精選版 日本国語大辞典 「払拭」の意味・読み・例文・類語

ふっ‐しき【払拭】

〘名〙 (「しき」は「拭」の呉音) =ふっしょく(払拭)
最暗黒之東京(1893)〈松原岩五郎〉二〇「喫了すれば即ち器皿を払拭(フッシキ)して之を庫裏収む、曾て洗滌する事なし」
病間録(1901‐05)〈綱島梁川価値「払拭(フッシキ)し去る能はず、無きものとする能はず」

ふっ‐しょく【払拭】

〘名〙 はらいぬぐうこと。すっかりぬぐいさること。ふっしき。
菅家文草(900頃)五・重陽節侍宴、同賦天浄識賓鴻「秋風払拭易虚、道路依晴稚羽初」
一年有半(1901)〈中江兆民〉三「先年共和演説の余毒を払拭するには、伊藤侯天寵の渥を慕ひ」

ほっ‐しき【払拭】

〘名〙 ふりはらってぬぐい去ること。ふっしょく。〔文明本節用集(室町中)〕

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デジタル大辞泉 「払拭」の意味・読み・例文・類語

ふっ‐しょく【払拭】

[名](スル)はらいぬぐい去ること。すっかり取り除くこと。一掃。ふっしき。「因習払拭する」「保守色を払拭する」
[類語]一掃掃滅消す雲散離散四散消える散る消滅雲散霧消消散霧散散逸飛散消去消却消除ぬぐい去る掻き消す

ふっ‐しき【払拭】

[名](スル)ふっしょく(払拭)

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普及版 字通 「払拭」の読み・字形・画数・意味

【払拭】ふつしよく

はらう。ぬぐい清める。宋・黄庭堅〔文潜(張耒)に次韻す〕詩 經行す、東坡眠の地 寶盤を拂拭して、楚愴(そさう)(悲痛)生ず

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