精選版 日本国語大辞典 「扱・噯・刷」の意味・読み・例文・類語
あつか・う あつかふ【扱・噯・刷】
〘他ワ五(ハ四)〙
① あれこれと気をつかう。人や動物などの世話をする。また、病人などを看護する。
※能因本枕(10C終)一五九「ことなること人の、小さき子どもなどあまたもちてあつかひたる」
② 人の相手になって話をしたり、もてなしたりする。応対、待遇する。また、人を意のままにする。冷たくあしらう。冷遇する。
※源氏(1001‐14頃)総角「いかで人めかしくあつかひなしたてまつらむ」
③ あれこれとうわさをする。評判する。
④ あれこれと操作して動かす。手などで物を運んだり、使ったりする。また、物や体の一部などをその機能に応じて有効に使う。「機械を扱う」
※枕(10C終)二一八「笙(しゃう)の笛は月のあかきに、車などにて聞きえたる、いとをかし。所せくもてあつかひにくくぞ見ゆる」
⑤ 処置に苦しむ。もてあます。
※枕(10C終)一四二「多く取らむとさわぐものは、なかなかうちこぼしあつかふほどに」
※狭衣物語(1069‐77頃か)二「いと苦しげに、暑さをあつかはせ給さま」
※高野山文書‐(文祿元年)(1592)七月七日・帥法印歓仲書状「抑当山御寺納、就割符之儀、木上与学侶中、御間依各別、我等申噯、一途相済候様にと」
⑦ あておこなう。また、支配する。領知する。
⑧ 物事を処理する。また、担当する。「事務を扱う」
※洒落本・客者評判記(1780)素人狂言に実の入た独息子のちょんちょん幕「どふぞうら口へ廻してよいやうにしてくれろと漸(やうやう)金子三両だしてあつかい此場はすませど」
⑨ さわる。いじる。もてあそぶ。〔物類称呼(1775)〕
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