投網(読み)なげあみ

精選版 日本国語大辞典 「投網」の意味・読み・例文・類語

なげ‐あみ【投網】

〘名〙
水面に投げひろげて魚を捕える被網(かぶせあみ)一種。とあみ。〔羅葡日辞書(1595)〕
② 鴨を捕獲するのに用いる三角形の網。下方に長い柄をつけて、鴨が山の尾根を低く飛んで来るのを待ち構え、通過する直前に投げるもの。

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デジタル大辞泉 「投網」の意味・読み・例文・類語

と‐あみ【投網】

円錐形の袋状の網のすそにおもりを付けたものを、魚のいる水面に投げ広げ、かぶせて引き上げる漁法。また、その網。川など浅い所で行われる。うちあみ。なげあみ。唐網とうあみ。「投網を打つ」 夏》
[類語]漁網たも網定置網刺し網流し網巻き網引き網地引き網底引き網トロール網

なげ‐あみ【投(げ)網】

投網とあみ」に同じ。
鴨捕り用の三角形の網。下方に長い柄をつけて、鴨が飛んでくるのを待ち構え、通過直前に投げ上げる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「投網」の意味・わかりやすい解説

投網
とあみ

網漁具のうち、魚群の上にかぶせてとる掩網(かぶせあみ)の一種。網の下部(網裾(あみすそ))は円く、折り返して袋状につくられ、沈子(ちんし)を通した沈子綱がつけられている。上部(竜頭)には手綱が通されている。操作は、手綱の一端を左手首にかけ、網地の大部分を左肘(ひじ)と左肩にかけ、さらに残部の網裾の大半を手前から順次右手に繰り分けてもち、船上、陸岸あるいは浅所で、左後方から右前方へ振り出し、網裾を十分開張させて、コイフナウグイアユボラなどの群れを目がけてかぶせ、袋の中で絡ませるか、網目に刺し、手綱で網を絞りながら引き寄せてとる。人力によって操作するので網の大きさに限度があり、小型の網が多い。地方によっては、打ち網、投げ網(なげあみ)、投網(とうあみ)などともいう。

[笹川康雄・三浦汀介]

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百科事典マイペディア 「投網」の意味・わかりやすい解説

投網【とあみ】

かぶせ網の一種。円錐形で下縁は丸く広く,裾(すそ)を折り返して袋を形成し,この部分に沈子(いわ)と沈子綱をつける。円錐形の頂点には手綱をつけ,舟あるいは陸上から魚群の上に投げかぶせて漁獲する。川や湖沼,ごく浅い海でボラ,アユ,コイ,クロダイ,サケなどをとる。

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世界大百科事典(旧版)内の投網の言及

【漁具】より

…大きな敷網類はいずれもイワシ,アジ,サバなど群れをなして行動する魚種を対象とするが,現在,この漁具を使う漁業で最も重要なのはサンマ棒受網(棒受網漁業)である。 かぶせ網類は敷網類と反対に,上方から網を魚に覆いかぶせるもので投網などがこれにあたる。河川・湖沼で使われることが多いが,海の岸近くでボラ,クロダイなどをとるのに使われることもある。…

※「投網」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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