投鞘(読み)なげざや

精選版 日本国語大辞典 「投鞘」の意味・読み・例文・類語

なげ‐ざや【投鞘】

〘名〙 槍の類に用いる毛皮製の長大な鞘袋で、鞘に余った袋の先端を折り垂らして飾りとするもの。
太閤記(1625)一五「虎尾のなげざやの鑓」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の投鞘の言及

【槍∥鎗∥鑓】より

…塗柄としては,黒漆塗や青貝叩があり,皆朱(かいしゆ)の柄は武辺者に限られた。
[鑓の鞘]
 鞘も室町時代のころは簡単で,多くは黒漆塗であったが,しだいに長大になり,身の形式にかかわりなく,各種の形式につくって獣毛を植えて刈りそろえて〈摘毛(つみげ)〉といい,鳥の羽を植えて〈鳥毛(とりげ)〉と呼び,さらにテン,ヒョウ,トラなどの毛皮を袋として鞘を包み,上端を長く垂らして投鞘(なげざや)としたり,あるいはたたき塗などとして各自の家の標識とするに至った。そのため江戸時代の大名の持鑓はまったく儀仗化した飾り鑓で,行列用の長道具として家紋と同様,特定の形式を示すにすぎなくなった。…

※「投鞘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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