招魂祭(読み)しょうこんさい

精選版 日本国語大辞典 「招魂祭」の意味・読み・例文・類語

しょうこん‐さい セウコン‥【招魂祭】

〘名〙
死者霊魂を招き寄せてとむらう式典。魔、病よけにも行なった。招魂まつり。
※小右記‐正暦元年(990)七月七日「小児所悩極重〈略〉今夜以奉平招魂祭
米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一「南北戦争討死せる、士卒の招魂祭に会す」
招魂社で行なわれる、国事に殉じた人々の霊をとむらう祭典各地護国神社で行なわれるが、ふつう東京靖国神社で行なわれる春季大祭(四月二一~二三日)、秋季大祭(一〇月一七~一九日)をさしていう。
太政官日誌明治元年(1868)一一月「忠奮戦死之輩、招魂(セウコン)祭奠式被在候間」

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デジタル大辞泉 「招魂祭」の意味・読み・例文・類語

しょうこん‐さい〔セウコン‐〕【招魂祭】

死者の霊を招いて行う祭り
招魂社の祭り。各地の護国神社で行われる。東京の靖国神社で行われる春季大祭・秋季大祭をさしていうこともある。 春》「春も早や―のころの雨/風生

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「招魂祭」の意味・わかりやすい解説

招魂祭
しょうこんさい

幕末に始まった新しい神道(しんとう)の祭祀(さいし)で、国事に殉じた非命の志士の霊を慰めるために営まれたもの。全国的な最初の招魂祭は1862年(文久2)12月、京都の東山(ひがしやま)霊山で執行され、津和野(つわの)藩士福羽美静(ふくばびせい)らが安政(あんせい)の大獄以後の志士の霊を祀(まつ)った。ついで明治維新となり、新政府は68年(慶応4)5月、東山に招魂社を建て、幕末以来の殉難者、戦死者を合祀(ごうし)することを布告した。そして同年7月、京都・河東(かとう)操練場で戊辰(ぼしん)戦争での官軍側戦死者の大掛りな招魂祭を実施した。また東京においても軍務官が招魂祭を行うことを計画、69年(明治2)6月に至って九段に招魂社を設けて招魂祭を営むことになった。これがいまの靖国(やすくに)神社の前身東京招魂社である。

[阪本是丸]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「招魂祭」の意味・わかりやすい解説

招魂祭
しょうこんさい

死者の霊魂を招き迎えて祀る儀式。靖国神社や護国神社が招魂社と呼ばれていた頃行われた慰霊祭。

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