持高規制(読み)もちだかきせい(英語表記)restriction on exchange position

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「持高規制」の意味・わかりやすい解説

持高規制
もちだかきせい
restriction on exchange position

外国為替公認銀行 (為銀) の健全経営,投機の防止,国内金融政策および為替政策の円滑な推進のため為銀の為替持高に加えられる一定の限度をいう。外国為替持高とは,ある時点における外貨建債権と債務差額であり,これが大きいほど為替変動リスクにさらされるので,持高スクエア (外貨建債権と債務の差額がゼロの状態) にしておけば,こうしたリスクを回避できる。日本の持高規制は,1952年に為銀の持高保有が認められて以来,直物持高規制が導入され,57年に直先総合持高も規制の対象に加わった。この直物持高規制は外貨を円に転換して国内運用を行うことをきびしく規制するものだったため,別名円転換規制といった。 84年6月に円転換規制が廃止されてから,直先総合持高について決められた枠内に収めることが外国為替及び外国貿易管理法 (外為法) および外国為替管理令で義務づけられていた。 98年4月外為法改正により外国為替公認銀行制度は廃止され持高規制も撤廃された。

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世界大百科事典(旧版)内の持高規制の言及

【外国為替】より

… メール・クレジットmail credit貿易金融の一つで,為替銀行が輸出業者から買い取った一覧払輸出手形を外国の支払銀行に郵送して,その支払を受けるまでの郵便日数の間,この手形を担保として外国の支払銀行から受ける短期の金融をいう。 持高規制一般にかなり厳しい為替管理が行われている国でも,為替銀行などにはその業務上の便宜を考慮して,為替の持高が認められているが,主として銀行経営の健全性維持の観点から各銀行ごとに一定の限度を設け,それを超える売持ちないし買持ちを禁止している。これを持高規制という。…

※「持高規制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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