指月山(読み)しづきやま

日本歴史地名大系 「指月山」の解説

指月山
しづきやま

萩市街の北西端、日本海に突き出た半島部にある標高一四三・四メートルの山。海に面する北西側は花崗岩の露出した断崖で、海上からは容易に近づきにくい。全山樹木が生い茂り楠の大木をはじめ椎・椿・イスノキ黒松赤松などが混生する。南側の樹林中には山茶花が群生し、その自生北限地となっている。

指月の名は、阿武あぶ郡むつみ村高佐下の禅林たかさしものぜんりん寺境内にある、石見国津和野つわの(現島根県鹿足郡)の城主吉見正頼の娘で同寺の開基であった妙性院の墓碑銘に「萩津、指月死所、天正十三乙酉八月廿六日」とみえる。山名としては、萩城の築城以前に麓付近にあったという指月山善福ぜんぷく寺の山号に由来するといわれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

防府市歴史用語集 「指月山」の解説

指月山

 萩の海岸線に面した山で、江戸時代のはじめ、毛利[もうり]氏が広島から萩にうつってきたとき、ふもとに城が造られました。現在、城はなくなっており、石垣と堀が残っています。

出典 ほうふWeb歴史館防府市歴史用語集について 情報

世界大百科事典(旧版)内の指月山の言及

【萩[市]】より

…70年(元亀1)正頼は萩の指月(しづき)に隠居所を設けて津和野から移り,のちここで没した。 関ヶ原の戦に敗れ,防長両国に封じられた毛利輝元は幕府と交渉の結果,萩の三角州北西端の指月山(143m)のふもとに城地を定め,1604年(慶長9)築城に着手し,翌年家臣の屋敷割りと町割りを行い,城下町の建設を開始した。08年萩城が完成。…

※「指月山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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