精選版 日本国語大辞典 「指物・差物・挿物」の意味・読み・例文・類語
さし‐もの【指物・差物・挿物】
〘名〙
① 当世具足の後胴の受筒(うけづつ)にさし込む棹(さお)につけた軍中の標識。文章や家紋・文字などを書いた四方(しほう)四半(しはん)の幟の類や、切裂(きっさき)や幣束などの作り物を棹につけ、陣中の役職、家門の標識としたもの。旗指物。
※秋田藩採集文書‐三・天正三年(1575)一二月一六日・武田氏陳触条目「乗馬歩兵共一統之指物申付」
※浮世草子・日本永代蔵(1688)三「桑の木のさし物、竹細工名人あり」
※洒落本・伊賀越増補合羽之龍(1779)仲町梅音の段「さし物に念を入レた女郎衆も有るが」
④ 金銀などの細工に、まぜ物をすること。また、そのもの。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報