(読み)いどむ

精選版 日本国語大辞典 「挑」の意味・読み・例文・類語

いど・む【挑】

[1] 〘他マ五(四)〙
戦い争いをしかける。挑戦する。立ち向かって行く。
古事記(712)中「各河を中に挟みて、対ひ立ちて相挑(あひイドミ)き」
蜻蛉(974頃)下「『よしよし、かう夜昼(よるひる)まゐりきては、いとどはるかになりなん』とて、いどみ、と許(ばかり)、助と物語りして」
② 恋をしかける。言い寄る。関係を迫る。
平中(965頃)一「ながめゐたる間に、なまいどみて、ものなど言ふ人のもとより」
人情本春色辰巳園(1833‐35)四「金をはたりて鬼九郎、仇吉をいどむ」
[2] 〘自マ五(四)〙 負けまいと張り合う。競争する。困難な物事に立ち向かう。「難問にいどむ」
源氏(1001‐14頃)乙女「かやうの方にては、いどみ聞え給ひし名残(なごり)もおぼしいでて」

いどまし【挑】

〘形シク〙 (動詞「いどむ(挑)」を形容詞化したもの) 負けまいとして張り合うさま。競争心が強い。
※源氏(1001‐14頃)葵「いどましからぬ、かざし争ひかな」
いどまし‐げ
〘形動〙
いどまし‐さ
〘名〙

いどみ【挑】

〘名〙 (動詞「いどむ(挑)」の連用形名詞化)
優劣をきそい争うこと。張り合うこと。競争。戦争。挑戦。
※源氏(1001‐14頃)紅葉賀「この御中どものいどみこそあやしかりしか」
② 恋をしかけること。関係を迫ること。求愛
※源氏(1001‐14頃)玉鬘「昔の懸想のをかしきいとみには」

いとな・む【挑】

〘他マ四〙 =いどむ(挑)(一)
今昔(1120頃か)五「年来(としごろ)(いと)なみつる心永く止(とど)めて其の由を牒(でふ)(つか)はして中吉く成ぬれば」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「挑」の意味・読み・例文・類語

ちょう【挑】[漢字項目]

常用漢字] [音]チョウ(テウ)(呉)(漢) [訓]いどむ
相手行動を仕掛ける。いどむ。「挑戦挑発

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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