振分髪(読み)ふりわけがみ

精選版 日本国語大辞典 「振分髪」の意味・読み・例文・類語

ふりわけ‐がみ【振分髪】

[1] 〘名〙 童幼男女結髪の一つ。八歳ごろまで、髪の末を肩までの長さに切りそろえて、百会(ひゃくえ)から左右にかき分けて垂らしたもの。はなちがみ。また、幼い子どもをいう。
伊勢物語(10C前)二三「くらべこしふりわけがみも肩すぎぬ君ならずして誰かあぐべき」
[2] 江戸後期の歌学書。一巻。小沢蘆庵(ろあん)著。寛政八年(一七九六成立・刊。作歌入門書で、詞(ことば)のはたらきや助詞などについて記し、実感を率直に平易なことばで表現することを主張している。

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デジタル大辞泉 「振分髪」の意味・読み・例文・類語

ふりわけがみ【振分髪】[書名]

江戸後期の歌学書。1巻。小沢蘆庵著。寛政8年(1796)刊。作歌入門書。詞のはたらきや「てにをは」を実例を挙げて説く。

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世界大百科事典(旧版)内の振分髪の言及

【髪形】より

…本多風とは,本多忠勝家中の武士の風から起こったと伝えられているもので,男髷が最後に定着した髷であり,そのため本多風の種類も数多く,ぞべ本多,豆本多,本多くずしなど多くの名称をのこしている。
[子どもの髪形]
 子どもの髪形は古代においては男女とも自然のままの垂髪形式で,奈良朝からは,この垂髪を男女とも肩で切りそろえ,これを振分髪といった。貴族階級の子どもから少年期の男子は美豆良を,女子は垂髪の一種で総角(あげまき)という髪形をこの後中世も引き続き結っていた。…

※「振分髪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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