捕縄(読み)ほじょう

精選版 日本国語大辞典 「捕縄」の意味・読み・例文・類語

ほ‐じょう【捕縄】

〘名〙 犯人逮捕囚人刑事被告人被疑者連行などに用いる縄(なわ)。〔監獄法施行規則(明治四一年)(1908)〕

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デジタル大辞泉 「捕縄」の意味・読み・例文・類語

ほ‐じょう【捕縄】

犯人の逮捕、受刑者刑事被告人被疑者の連行などに用いるなわ。とりなわ。

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改訂新版 世界大百科事典 「捕縄」の意味・わかりやすい解説

捕縄 (とりなわ)

犯罪捜査および裁判,刑の執行のため,人を捕らえ,あるいは連行するのに用いる縄。江戸時代には早縄(はやなわ)(長さ2ひろ半,犯罪者の逮捕に用いる),本縄(ほんなわ)(5ひろ,罪名が定まってから用いる)の別があり,江戸北町奉行所では白,南町奉行所では紺染というように役所によって色を異にし,またしばられる者の身分性別によって,町人百姓には十文字縄,割菱(わりびし)縄,違菱(ちがいびし)縄,僧には返し縄,神職には注連(しめ)縄,笈摺(おいずり)縄,女性には乳掛縄,武士には二重菱縄などのしばり方があり,さらに死刑執行にあたって掛ける切縄,両手をゆるくしばる揚屋(あがりや)縄をはじめ,留まり縄,腰縄,片手縄など,状況によって特別のしばり方があった。このように複雑な技術技巧を,同心はつねに練習し,習熟につとめたといわれる。江戸時代の捕縄の家としては,伊予大洲藩武知吉太夫の方円流が名高く,十八法を伝え,門人も多かった。
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百科事典マイペディア 「捕縄」の意味・わかりやすい解説

捕縄【ほじょう】

犯罪の捜査および裁判,刑の執行のため,人を捕らえ,あるいは連行するために用いる縄。江戸時代には取縄(とりなわ)といい,早縄(はやなわ)(長さ2ひろ半,逮捕用),本縄(ほんなわ)(5ひろ,罪名確定後に使用)の別があり,奉行所によって色を異にし,身分・性別によって縄のしばり方が違った。
→関連項目戒具

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「捕縄」の意味・わかりやすい解説

捕縄
ほじょう

犯人の逮捕,連行,刑の執行の際に用いる縄。江戸時代には「とり縄」といい,早縄 (犯人逮捕用) と本縄 (刑確定後に用いた) の別があった。役所によって,白,紺など縄の色を異にした。縛られる者の身分や性別によって縛り方も違い,また状況に応じて特別の縛り方をした。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「捕縄」の意味・わかりやすい解説

捕縄
ほじょう

捕縄術

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