掘・彫・刻(読み)ほる

精選版 日本国語大辞典 「掘・彫・刻」の意味・読み・例文・類語

ほ・る【掘・彫・刻】

[1] 〘他ラ五(四)〙
[一] (掘)
地面、岩、木材などに穴をあける。うがつ。
書紀(720)仁徳一一年一〇月(前田本訓)「宮の北の郊原(の)を掘(ホリ)て」
② 植物を根ごと土中から取り出す。
古事記(712)中「其の歴木(くぬぎ)を堀(ほ)りて」
③ 埋まっている物を取り出す。また、穴の奥にあるものを取り出す。
万葉(8C後)一六・三八四三「何所にそ真朱(まそほ)穿(ほる)(をか)薦畳(こもだたみ)平群朝臣が鼻の上を穿礼(ほレ)
④ (下に「聞く」を伴って) しつこく問いただす。根掘り葉掘り聞く。
狂歌・徳和歌後万載集(1785)九「それとなく恋の糸ひく心ねをほりてきくのも蓮葉なりけり」
[二] (彫・刻)
① きざむ。彫刻する。える。
随筆山中人饒舌(1813)上「池翁自鐫一印云 前身相馬九方皐」
版木にきざんで印刷する。
※政談(1727頃)二「活板と云物調法成る者なれども、是又御当地などにては工手間掛る故、板ほるよりは却て損也」
③ 身体を針でさし、墨を入れる。入墨をする。
咄本・さとすゞめ(1777)彫物「うでへ名をほるといふ事があるものか」
[2] 〘自ラ下二〙 ⇒ほれる(掘)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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