掛帯(読み)カケオビ

デジタル大辞泉 「掛帯」の意味・読み・例文・類語

かけ‐おび【掛(け)帯】

社寺参詣女性が、物忌みしるしとして用いた赤い帯。赤色の絹を畳み、胸の前に掛け、背後で結んだもの。
近世女子盛装に用いたのひも。裳の大腰につけ、肩に掛けて胸の前で結ぶもの。

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精選版 日本国語大辞典 「掛帯」の意味・読み・例文・類語

かけ‐おび【掛帯】

〘名〙
① 社寺参詣の女子が物忌のしるしとして用いた、赤い帯。赤色の絹をたたみ、胸の前にかけ、背後で結んだもの。赤色以外のものも、稀にあったという。
たまきはる(1219)「やなぎの袙(あこめ)の、うへすりたるに、ひろきかけおびかけて」
歌謡・松の葉(1703)二・まさみち「南無や宰府(さいふ)の御(おん)神、古への憂を守らせたまへやと、深く祈誓をかけおびの、結ぶ契りの朽ちせずば」
女装の盛装に用いた裳(も)の紐。裳の大腰に付けて、肩に掛けて胸の前で結ぶもの。
御伽草子・鉢かづき(室町時代物語大成所収)(室町末)「二つのかけこには、十二ひとへの御きぬに、ちしほのはかま、かけをひまで、心をつくして、いれられたり」

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