接待・摂待(読み)せったい

精選版 日本国語大辞典 「接待・摂待」の意味・読み・例文・類語

せっ‐たい【接待・摂待】

[1] 〘名〙
① 客をあしらいもてなすこと。もてなし。接遇。
※史記抄(1477)一二「家の事をつかさどりて賓客を接待させたぞ」
※露団々(1889)〈幸田露伴〉二〇「来客のいと多く、接待(セッタイ)のいと濃(こまや)かなるは云もさらなり」 〔呉志‐甘寧伝〕
行脚僧、旅僧を布施する法の一つ。門前往来に、清水または湯茶を出しておいて、通行の修行僧にふるまったり、宿泊させたりすること。また、寺で貧しい人や参詣人に無料で食物を与えること。門茶(かどちゃ)。《季・秋》
※正法眼蔵(1231‐53)安居「すでに四月一日よりは、比丘僧ありきせず、諸方の接待、および諸寺の旦過、みな門を鎖せり」
※浮世草子・傾城色三味線(1701)京「いやな男にも、摂待(セッタイ)施主じゃとおもふて、お茶たててふるまふてやり給はば」 〔仏祖統紀
③ 一般に、湯茶、酒、食事などをふるまうこと。
※少年(1911)〈谷崎潤一郎〉「接待の甘酒だのおでんだの汁粉だのの屋台が処々に設けられて」
[2] (摂待) 謡曲。四番目物。観世宝生金剛喜多流。宮増(みやます)作。奥州の佐藤継信の館に山伏姿の義経主従が立ち寄る。母の老尼と継信の遺児鶴若が一行それぞれの名を言い当てたので、弁慶身分を明かし、老尼の求めに応じて継信・忠信兄弟の八島合戦における活躍を語る。幸若舞の「八島」と同じ題材

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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