換算両数(読み)かんさんりょうすう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「換算両数」の意味・わかりやすい解説

換算両数
かんさんりょうすう

列車を編成したとき、その列車の重量を簡便に計算できるよう車種ごとに定めた数。10トンを1両(車)とし、小数点第1位までで示す。空車と積車で重量の変わる車では、空車は自重を、積車は標準的な荷重がのったときの重量を基に定める。貨車では、軽量品あるいは重量品を積載したときの重量が標準とかなり異なることがあるので、軽量換算、重量換算を別に定めている。刻み方は、機関車、旅客車、30トン以上の貨車は0.5刻み、30トン未満の貨車は0.2刻みにしている。機関車で牽引(けんいん)される客貨車の換算両数の合計は、その列車の牽引定数内とするように定めている。また列車の長さの計算を簡便にするため、延長換算という数も用いる。これは8メートルを1車長とし、車種のグループごとに定めている。列車の長さは、駅で停車したとき、他の線路支障がないための限度があり、延長換算の合計がその目安となる。

土田 廣]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「換算両数」の意味・わかりやすい解説

換算両数
かんさんりょうすう

客車・貨車の重量を,標準的な重さの車両数で置き換えた単位をいう。各種の客車や貨車によって重量が異なるため,同型式の機関車で牽引できる車両数は一定しない。このため JRでは,客車は自重と旅客重量の合計,貨車は自重と平均積載量の合計として,ともに 10tを換算1両と決めた。換算1両である 10tを規準にして,たとえばある貨物車両は積載時2,空車時 0.8として,これを換算両数とし,動力車の引張り力の経済的利用と,列車運転の安全を期している。

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