擬製豆腐(読み)ギセイドウフ

デジタル大辞泉 「擬製豆腐」の意味・読み・例文・類語

ぎせい‐どうふ【擬製豆腐】

ゆでてつぶした豆腐に、卵や野菜などを加えて調味し、焼いたり蒸したりした料理。ぎせどうふ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「擬製豆腐」の意味・わかりやすい解説

擬製豆腐
ぎせいどうふ

豆腐をつぶして卵に混ぜ、焼くかまたは蒸して豆腐状に固めた料理。もともとは、僧侶(そうりょ)が卵のような動物性食品食用とすることが禁じられていたとき、豆腐の中にひそかに卵を入れてわからないようにして用いていた。カムフラージュしてつくったという意味擬製の字が使われたといわれる。さっとゆでた豆腐をふきんで軽く絞り、調味した汁で煮上げたのち、溶き卵を加えて混ぜ、型に入れて蒸すか、または卵焼き器で焼く。ニンジンゴボウなどを細かく切って混ぜることもある。植物性動物性タンパク質があわさり、栄養的に非常に優れた料理である。

河野友美

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「擬製豆腐」の解説

ぎせいどうふ【擬製豆腐】

精進料理一つ水気を切ってほぐした豆腐ににんじんなどの野菜と溶き卵を加えて調味し、形をととのえて蒸したり焼いたりしたもの。◇「ぎせどうふ」ともいう。ほぐした豆腐を元のような四角い形に作るところから。

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世界大百科事典(旧版)内の擬製豆腐の言及

【豆腐】より

…持味が淡泊なのできわめて利用範囲が広く,あらゆる調理法に適するといっても過言ではない。湯豆腐,冷ややっこをはじめ,汁の実,なべ物の具,あん掛け,田楽,煮物のほか,揚出し豆腐,いり豆腐,擬製豆腐,滝川豆腐などが知られる。湯豆腐,冷ややっこはいずれも3.5cm角程度の〈やっこ〉に切った豆腐を,暖めるか冷やすかして,つけじょうゆで食べるが,豆腐そのものを味わうにはこれらに勝るものはない。…

※「擬製豆腐」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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