政策秘書(読み)セイサクヒショ

デジタル大辞泉 「政策秘書」の意味・読み・例文・類語

せいさく‐ひしょ【政策秘書】

政策担当秘書」の略。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「政策秘書」の意味・わかりやすい解説

政策秘書
せいさくひしょ

国会議員公設秘書のうち「主として議員の政策立案及び立法活動を補佐する秘書」(国会法132条2項)のこと。公設秘書とは、国庫から給与が支払われる秘書であり、従来は第一秘書、第二秘書の2人が認められていたが、1994年(平成6)1月に3人目の秘書として政策秘書が設けられた。

 政策秘書の採用資格は次のとおりである。

〔1〕一般公募による政策担当秘書資格試験に合格した者。資格試験は毎年1回行われ、試験内容は国家公務員採用Ⅰ種試験と同程度とされている。

〔2〕選考採用審査認定委員会によって資格認定を受けた者。この審査認定を受ける要件は、(1)公的試験(司法試験、公認会計士試験など)の合格者、(2)博士号の取得者、(3)公務員、会社員、労働組合職員などで専門分野における業績が認められた者、(4)公設秘書10年以上、あるいは公設秘書5年以上で私設秘書や政党職員などの実務を5年以上経験した者のうち、政策担当秘書研修を修了した者。

 この制度導入時には、政策秘書には政策立案を中心とした高度な活動が期待されていた。しかし前記(4)の研修修了者が認定要件に加えられたため、大半の政策秘書が公設第一秘書あるいは第二秘書からの転身で占められ、その結果、政策秘書は従来の秘書業務を行う、単なる「第三秘書」にすぎなくなっているという批判もある。さらに2002年には、社民党衆議院議員辻元清美(つじもときよみ)(1960― )が政策秘書の給与を流用したとする疑惑が起こり、参議院議長の井上裕(ゆたか)(1927―2008)、自民党衆議院議員鈴木宗男(むねお)(1948― )のそれぞれの政策秘書が業者からの裏金取得にかかわったとして逮捕されるなど、政策秘書にからんだ不祥事が続発した。

[橋本五郎]

『平田有史郎著『議員秘書の研究』(1998・創成社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「政策秘書」の意味・わかりやすい解説

政策秘書
せいさくひしょ

国会議院の政策立案能力を高めることを目的に,1994年1月導入された政策スタッフ秘書。国会法上2人まで認められていた公設秘書に新たに増員されたもので,従来の第一秘書より1ランク上の給与が支払われる。一般の受験が可能な「資格試験」枠と,秘書歴 10年以上のベテラン秘書などから選ぶ「選考採用」枠がある。 93年の資格試験は 17倍の狭き門となり 63人が最終合格したが,実際に政策秘書に就職したのは衆参合せて 25人にとどまった。

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