教外別伝(読み)きょうげべつでん

精選版 日本国語大辞典 「教外別伝」の意味・読み・例文・類語

きょうげ‐べつでん ケウゲ‥【教外別伝】

〘名〙 仏語禅宗要諦を示す言葉一つで、経典などの文字やことばによらずに仏のさとりを心から心へと直接伝えること。また、その深奥教義。転じて、普通では教えられない特別なこと。教外(きょうげ・きょうがい)。きょうげのべつでん。
正法眼蔵(1231‐53)仏教「釈迦老漢かつて一代教典宣説するほかに、さらに上乗一心の法を摩訶迦葉に正伝す、嫡嫡相承しきたれり〈略〉この正伝する一心を教外別伝(けうげべつでん)といふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「教外別伝」の意味・読み・例文・類語

きょうげ‐べつでん〔ケウゲ‐〕【教外別伝】

禅宗で、仏の悟りを伝えるのに、言葉や文字によらず、心から心へと直接伝えること。→不立文字ふりゅうもんじ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「教外別伝」の意味・わかりやすい解説

教外別伝
きょうげべつでん

特に禅宗で用いる語。仏陀の教えは,言葉によって伝達された場合もあったが,仏教の真の精髄は言葉によって表現しうるものではないので,心から心へと直接伝達されるとする考え方。すなわち,禅宗は他の宗派と異なって,仏陀の言葉では表わせない真の精神を受けているものだとする。不立文字 (ふりゅうもんじ) も同意

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android