精選版 日本国語大辞典 「散粉機」の意味・読み・例文・類語
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殺虫剤、殺菌剤などの粉剤を散布する機械をいう。送風機、薬剤用ホッパー、送風機からの風に薬剤を放出する繰り出し装置のほか、薬剤を含んだ空気をより有効に対象作物に導くための噴頭などから構成されている。散粉機には人力用と動力用とがあり、農業用としては背負い型動力散粉機がもっとも一般的である。これに比べて数は少ないが、トラクター搭載形や水田用としてあぜを自走できる走行形式のものが大形水田用として利用されている。
噴頭や噴管の形状は用途により異なる。1人で扱う長さ2~3メートルの硬質プラスチック製のもののほか、水田では、動力散粉機の送風機吐き出し口に長さ20~100メートルの多口ホース噴頭(定間隔に穴をあけた、塩化ビニルなどフィルム製のもの)を取り付けて田の上を渡し、2~3人で両側のあぜを移動しながら効率的な散布を行う方法が用いられる。
散粉機による粉剤の散布は水を必要としないので、液剤散布に比べて簡単にしかも能率的に行える。しかし、粉剤は飛散しやすいために、ほかの作物に薬害を出したり、収穫物を汚染したりするほか、人畜に害を与える危険があり、気象状況そのほかには、十分注意を払う必要がある。
[平田孝三]
…散粉機のことで,送風機の送風によって粉剤農薬を散布する防除機である。ダスターはアメリカで発達した機械であるが,日本へは第2次大戦後導入され,広く使われるようになった。…
※「散粉機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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