文七(読み)ぶんしち

精選版 日本国語大辞典 「文七」の意味・読み・例文・類語

ぶんしち【文七】

〘名〙
① 非常に白く、つやのある和紙元結などに用いられた。
※雑俳・柳多留‐一一四(1831)「文七の上へを粧ふ緋の鹿の子」
③ ②を作る職人
※俳諧・類柑子(1707)上「文七にふまるな庭のかたつぶり〈其角〉」
④ (大坂侠客(きょうかく)雁金文七人形に用いたのを始めとするところから) 文楽人形の頭(かしら)一種。鋭い眼光と太い眉、引き締まった口もとをした主役の頭。「絵本太功記」の光秀、「菅原伝授手習鑑」の松王丸など。
歌舞伎の立回りの型の一つで、槍で後ろを突き前を突く型。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「文七」の意味・読み・例文・類語

ぶんしち【文七】

元結などにする、つやのある白い紙。
文七元結」の略。また、それを作る職人。
《大坂の侠客きょうかく雁金文七の人形に用いられたところから》文楽人形かしらの一。「絵本太功記」の光秀、「菅原伝授手習鑑」の松王丸など、悲劇主人公に使われる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「文七」の解説

文七
(通称)
ぶんしち

歌舞伎・浄瑠璃外題
元の外題
雁金文七
初演
享保12.冬(大坂・大和山座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android