文学団体(読み)ぶんがくだんたい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「文学団体」の意味・わかりやすい解説

文学団体
ぶんがくだんたい

作家をおもな会員とするものと文学研究者を会員とするものとに分けることができる。前者には,単に会員の親睦をはかるだけのものから,著作権保護など会員の共通の利益の追求をはかるもの,文学賞授与,作品発表の斡旋などによって会員の創作活動の促進を目指すもの,言論や表現の自由の拡大を通じて一国の文学の向上を目的とするものなど,活動範囲ないし設立の目的によってさまざまの種類がある。アカデミー・フランセーズや日本芸術院のように,国家が設立したものもあるが,多くは民間人によって設立されたもので,イギリスのアシニーアム・クラブ,日本文芸家協会などはその例である。また日本の短歌俳句結社は,文学団体の小規模な例といえる。他方,ペンクラブのように特定の国家の枠をこえた国際的な組織もある。これら創作家の団体に対して,文学研究者の団体は,日本英文学会のように,ほとんどすべて民間で運営されているものである。近年は国家の枠をこえた活動が盛んに行われるようになった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android