文明一統記(読み)ブンメイイットウキ

デジタル大辞泉 「文明一統記」の意味・読み・例文・類語

ぶんめいいっとうき【文明一統記】

室町中期の政論書。1巻。一条兼良著。成立年未詳。将軍足利義尚あしかがよしひさの求めに応じて政道を論じたもの。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「文明一統記」の意味・読み・例文・類語

ぶんめいいっとうき【文明一統記】

室町中期の政道書。一巻。一条兼良著。文明一二年(一四八〇)頃の成立。九代将軍足利義尚要望によって書かれたものという。八幡大菩薩祈念すべき事など六項の徳目をかかげ、解説を加える。乱世時代相反映が見える。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「文明一統記」の意味・わかりやすい解説

文明一統記 (ぶんめいいっとうき)

室町中期,一条兼良が足利義尚に将軍の留意すべきことを説いた政道書。八幡大菩薩への祈念,孝行・正直・慈悲励行武芸をたしなむこと,政道に対する熱意など6ヵ条に及ぶ。1冊。文中に〈御判初有し上ハ〉とあるから1479年(文明11)11月の義尚の判始以降,兼良の没する81年4月以前の成立となる。同じく兼良の記した《樵談治要》と趣が異なり教訓的である。《群書類従》《改訂史籍集覧所収
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「文明一統記」の意味・わかりやすい解説

文明一統記
ぶんめいいっとうき

一条兼良(かねら)が将軍足利義尚(あしかがよしひさ)の求めに応じ、為政者としてとくに心すべき六か条を説いた政道の書。一巻。孝行、正直、慈悲を強調するなど、その説くところやや観念的、抽象的なきらいもあるが、「一所懸命の地」を奪われて憂悲苦悩している公家(くげ)・社寺農民のうえに思いをいたし、将軍としての権威を確立し、政治に励み、猛悪な大名らの所行を禁制せよ、というのが一貫する主張で、その限り、当時の現実を反映した政道論である。『群書類従』(雑部)所収。

[芳賀幸四郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「文明一統記」の意味・わかりやすい解説

文明一統記
ぶんめいいっとうき

教訓書。1巻。一条兼良著。成立年未詳。足利義尚の求めに応じて政治上の戒めを述べたもの。八幡大菩薩に祈念すべきこと,孝行,正直,慈悲,芸能をたしなむべきこと,政道を心にかけるべきことの6項目から成る。『群書類従』『史籍集覧』所収。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

旺文社日本史事典 三訂版 「文明一統記」の解説

文明一統記
ぶんめいいっとうき

室町中期,一条兼良 (かねよし) の政治論書
1479(文明11)年ころ刊。1巻。9代将軍足利義尚 (よしひさ) のために著した修養書。孝行・正直・慈悲などについて記し,政道への心構えを説く。その態度は貴族化した足利氏に好意的であり,兼良の武家観がよく表れている。

出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android