斎藤基恒日記(読み)さいとうもとつねにっき

改訂新版 世界大百科事典 「斎藤基恒日記」の意味・わかりやすい解説

斎藤基恒日記 (さいとうもとつねにっき)

1440-56年(永享12-康正2)の斎藤基恒日記。基恒は室町幕府奉行人で,政所執事代や神宮開闔かいこう)を務め式評定衆に昇格した人。本書は自筆部分と加筆部分を区別しがたいが,嘉吉の乱後の幕政推移,奉行人等の人事,役夫工米(やくぶくまい)や徳政分一銭(ぶいちせん)の徴収について簡略,正確に記し,末尾には他筆による政所執事代や公人奉行などの歴名が付加されている。《続々群書類従》《続史料大成》所収。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「斎藤基恒日記」の意味・わかりやすい解説

斎藤基恒日記
さいとうもとつねにっき

室町幕府政所執事代,式評定衆斎藤基恒の日記。永享 12 (1440) ~康正2 (56) 年のもの。記事は簡略だが,将軍大名動静や,徳政,土倉など財政に関するものは史料として注目できる。『続史料大成』などに収録

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世界大百科事典(旧版)内の斎藤基恒日記の言及

【斎藤氏】より

…室町幕府では,三善康連の後裔である飯尾氏と並んで多数の奉行人を一族から出し,将軍足利義教・義政に仕えた斎藤基恒・親基などは政所の事務長たる執事代に昇っている。《斎藤基恒日記》《斎藤親基日記》はその公務日記で,室町中期政治史の基本史料。なお斎藤時基のとき幕府を出奔した足利義材に随従して阿波へ同行したため,1520年(永正17)以降幕府吏員から姿を消す。…

※「斎藤基恒日記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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