断熱煉瓦(読み)だんねつれんが(英語表記)insulating brick

精選版 日本国語大辞典 「断熱煉瓦」の意味・読み・例文・類語

だんねつ‐れんが ‥レングヮ【断熱煉瓦】

〘名〙 炉、窯などの内側に使用する耐火煉瓦外側に張り、熱経済をはかる熱伝導率の小さい煉瓦珪藻土原料とするものが最も普通だが、シャモット混合して耐火性を高めたものもある。特に耐熱性を高めたものを断熱耐火煉瓦という。

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改訂新版 世界大百科事典 「断熱煉瓦」の意味・わかりやすい解説

断熱煉瓦 (だんねつれんが)
insulating brick

断熱性の優れた煉瓦をいう。各種窯炉に使用される耐火煉瓦は耐熱性を有するが,熱伝導率が大きく,したがって熱損失が大きい。そこで,耐火煉瓦の外側に断熱煉瓦を使用して,熱エネルギーの放散を減少させる。断熱性は一般の材料では密閉された空気が最もよいので,小さい気孔の多い煉瓦が断熱性に優れている。したがって,煉瓦のかさ比重によって断熱性の良否をほぼ知ることができる。ただし,この気孔が連結していたり,外部に通じていては空気の流通によって断熱性が悪化するので,密閉した気孔でなければならない。パーライト,ケイ藻土などを原料として,煉瓦形状に成形し,軽く焼きかためた多孔質材料が,断熱煉瓦として利用される。断熱煉瓦そのままでは耐熱性が低く,その利用範囲が限定されるので,最近では耐熱性を与えた耐火断熱煉瓦が多くなっている。
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百科事典マイペディア 「断熱煉瓦」の意味・わかりやすい解説

断熱煉瓦【だんねつれんが】

断熱性にすぐれた煉瓦。窯炉の炉壁からの熱放散や炉壁の蓄熱量を軽減するために耐火煉瓦の外側に使用される。低温用(900〜1200℃)にはケイ藻土質,高温用(1300〜1500℃)には耐火粘土,アルミナ質がおもに用いられる。小さい気孔を多くもつ煉瓦が断熱性にすぐれているので,原料に木くずなどの可燃性物質を加えて焼成し,煉瓦の気孔率を高めている。したがって嵩(かさ)比重が低いほど熱伝導率も低い。
→関連項目煉瓦

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「断熱煉瓦」の意味・わかりやすい解説

断熱煉瓦
だんねつれんが
heat insulating brick

各種窯炉,煙突ボイラーなどの内面の耐火煉瓦の外側に積んで,炉壁からの熱の放散を防止するために使用する煉瓦。材質はケイ藻土が用いられ 700~800℃に焼成されたもの,またケイ藻土に木節粘土を加えて 900~1300℃に焼成したものがある。日本工業規格JISでは断熱煉瓦 (最高安全使用温度 850~1200℃) と耐火断熱煉瓦 (同 1300~1500℃) に区分している。熱伝導率は,前者で 0.14~0.17 kcal/m・h・ ℃以下,後者で 0.18~0.35 kcal/m・h・ ℃以下である。

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