デジタル大辞泉
「断腸」の意味・読み・例文・類語
だん‐ちょう〔‐チヤウ〕【断腸】
はらわたを断ち切ること。はらわたがちぎれるほど、悲しくつらいこと。「断腸の思い」
[補説]中国、晋の武将、桓温が三峡を旅したとき、従者が捕らえた子猿を追って母猿が百里あまり岸伝いについてきて、やっと船に飛び移り、そのまま息絶えた。その腹をさくと腸はみなずたずたに断ち切れていたという「世説新語」黜免の故事による。書名別項。→断腸
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だん‐ちょう ‥チャウ【断腸】
〘名〙
① はらわたを断ち切ること。また、はらわたがちぎれるほどの悲しさ、つらさなどをいう。
※
万葉(8C後)五・七九三・序文「禍故重畳 凶問累集 永懐
二崩心之悲
一 独流
二断腸之泣
一」
※中華若木詩抄(1520頃)中「蜀へ帰りたいと云心ぞ、それによりて、
旅客が聞て、断腸するぞ」 〔魏文帝‐燕歌行〕
② はなはだしく
興趣のあること。また、
哄笑するほどおもしろいこと。
※
明衡往来(11C中か)上末「一年之中、以
レ秋為
二断膓之時
一」
[
補注]中国、晉の武将、桓温が三峡を旅した時、従者が猿の子を捕えた。母猿は悲しんで岸を追うこと百余里、ついに船にとびうつることができたが、そのまま息絶えた。その腹をさいて見ると、腸がずたずたに断ち切れていたという故事が「世説新語」に見える。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「断腸」の読み・字形・画数・意味
【断腸】だんちよう(ちやう)
はらわたが断ちきれるようなかなしみ。唐・李白〔清平調、三首、二〕詩 一枝の艷(じやうえん)、露にも香を凝(こ)らす 雲雨巫山、枉(ま)げて斷腸す字通「断」の項目を見る。
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