斯様(読み)かよう

精選版 日本国語大辞典 「斯様」の意味・読み・例文・類語

か‐よう ‥ヤウ【斯様】

〘形動〙 (「かうやう(斯様)」の変化した語) このよう。このとおり。かくのごとき。→斯様(こうよう)
※竹取(9C末‐10C初)「かやうにて、御心を互ひになぐさめ給ふ程に、三年ばかりありて」
源氏(1001‐14頃)帚木「かやうのつゐであらむ事も、いと難く」

こう‐ざま かう‥【斯様】

〘形動〙 (「かくさま」の変化したもの) このようなさま。
※源氏(1001‐14頃)胡蝶「かうさまのことは、親などにも、〈略〉語り出で難きことなれど」
今昔(1120頃か)二四「とさまに行きかうさまに行雲はるばる」
[補注]「とざま」と対にして用いられることが多い。

こう‐よう かうヤウ【斯様】

〘形動〙 (「かくやう」の変化したもの) このよう。かよう。
土左(935頃)承平五年一月元日「いもじ荒布(あらめ)も、歯固(はがため)もなし。かうやうの物なき国なり」
※源氏(1001‐14頃)桐壺「かうやうの折は、御遊びなどせさせ給ひしに」

かく‐さま【斯様】

〘形動〙 かくのごときさま。このよう。こうざま。かくしま。
万葉(8C後)一八・四一〇六「父母を 見れば尊く 妻子(めこ)見れば 愛(かな)しくめぐし うつせみの 世の理と 可久佐末(カクサマ)に 言ひけるものを」

かく‐よう ‥ヤウ【斯様】

〘形動〙 こんなさま。このよう。
※今昔(1120頃か)一「かく様(やう)にして終(つひ)外道(ぐだう)負けて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「斯様」の意味・読み・例文・類語

か‐よう〔‐ヤウ〕【×斯様】

[形動][文][ナリ]このよう。このとおり。「斯様内容です」「斯様に申しております」
[類語]斯く斯くこうこうこれこれこんなこういうこのようかかるこう斯くしかじかなになにかなにかしらなになに

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android