新儀商人(読み)しんぎしょうにん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新儀商人」の意味・わかりやすい解説

新儀商人
しんぎしょうにん

中世から近世にかけて,新しく台頭した商人。古くから支配権力に特権を保障された豪商に対し,楽市・楽座によって出現した商人。または,江戸時代中後期の流通経済にのっとって,城下町商人とは異なる在郷商人をもさす。

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世界大百科事典(旧版)内の新儀商人の言及

【新儀】より

…中国の古典を通じて平安時代の貴族社会や寺社にひろまったとみられ,〈旧儀〉〈先例〉に対して,新しい儀法,規式,事柄などをさす語として中世・近世にさかんにもちいられた。従来はみられなかった様相,事態,方法などをも幅ひろく包摂する語であり,中世においては,ほんらい領主からその権益(特権)を認められていた商人組織に対抗しつつ新たに台頭し活動しはじめた商人を〈新儀商人〉と呼んだりした。また,〈新儀を凝(こ)らす〉とか〈新儀を巧(たく)み出(い)だす〉とかいえば,創意工夫をかさねて〈新しいものを生み出す〉という意味で良いこととみられ,たとえば建武新政にさいして後醍醐天皇が〈朕が新儀は未来の先例たるべし〉(《梅松論(ばいしようろん)》)と宣言したのもその一例といえよう。…

※「新儀商人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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