新日本文学会(読み)しんにほんぶんがくかい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新日本文学会」の意味・わかりやすい解説

新日本文学会
しんにほんぶんがくかい

文学団体。 1945年 12月 30日創設。第2次世界大戦後,長年弾圧されていたプロレタリア文学復興と,さらに広範な民主主義文学勢力の結集を目指し,蔵原惟人,壺井繁治,中野重治秋田雨雀江口渙窪川鶴次郎徳永直藤森成吉宮本百合子発起人となり 173名が参加して発足,翌年3月機関誌『新日本文学』を創刊した。しかし『人民文学』の創刊 (1950) による分裂,あるいは『近代文学』派とのきびしい対立などを生み,一時は日本共産党の下部組織の観を呈した。 1960年代後半以降は政治と文学の問題を克服,『近代文学』派とともに文学団体として今日にいたっている。

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世界大百科事典(旧版)内の新日本文学会の言及

【蔵原惟人】より

…32‐40年まで在獄,非転向。敗戦後は新日本文学会の結成,共産党文化部長としての活動等があった。【小田切 秀雄】。…

【新日本文学】より

…新日本文学会発行の文芸雑誌。1946年(昭和21)3月創刊(創刊準備号は1月刊)。…

※「新日本文学会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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