新興仏教青年同盟(読み)しんこうぶっきょうせいねんどうめい

改訂新版 世界大百科事典 「新興仏教青年同盟」の意味・わかりやすい解説

新興仏教青年同盟 (しんこうぶっきょうせいねんどうめい)

既成仏教宗団の革新と資本主義社会の変革を目ざして結成され,戦時下に反ファッショ運動を行った仏教徒団体。1919年,大日本日蓮主義青年団を結成して人道主義的社会運動をおこした妹尾義郎(せのおぎろう)は,31年4月同志とともに青年団のなかから新興仏教青年同盟(仏青)を組織した。仏青は恐慌下の大衆の窮乏化,侵略戦争開始による社会不安増大のなかで既成宗団の腐敗を批判し,宗派を超えて仏教者に新鮮な影響をあたえた。仏青は弾圧をうけつつ満州事変ファシズムに反対し,労働・農民運動,水平運動にも連帯し,また33年反ナチス・ファッショ粉砕同盟,極東平和友の会に加盟,35年妹尾が《労働雑誌》編集発行人になるなど反ファッショ人民戦線運動にも積極的役割を果たした。しかし37年末までに妹尾ほか同盟員のほとんどが治安維持法違反で検挙され,事実上その組織は解体に追い込まれた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android