新青柳(読み)しんあおやぎ

改訂新版 世界大百科事典 「新青柳」の意味・わかりやすい解説

新青柳 (しんあおやぎ)

地歌・箏曲曲名。三弦は石川勾当,箏は八重崎検校作曲の京風手事物。《八重衣(やえごろも)》《融(とおる)》とともに〈石川の三ツ物〉の一つ。三味線組歌の《青柳》と区別する場合以外は,単に《青柳》とも。歌詞は謡曲遊行柳(ゆぎようやなぎ)》のクセの部分をそっくり利用。遊行の聖が,白河関で出会った柳の老木(おいき)の精に念仏を授けたところ,夢枕に立った精が柳にちなむ故事を述べた後,蹴鞠のことや《源氏物語》の柏木の恋の話に話題が広がった場面を歌っている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新青柳」の意味・わかりやすい解説

新青柳
しんあおやぎ

青柳」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の新青柳の言及

【遊行柳】より

…世阿弥の《西行桜》に対抗した作ともいえるが,そのクセが桜の名所を描いてまとまっているのに比し,この能のクセは,柳にまつわる故事を関連なくつないだ形で,作風は争えない。箏曲《新青柳》《青柳》の原拠。【横道 万里雄】。…

※「新青柳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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