方法論的個人主義(読み)ほうほうろんてきこじんしゅぎ(英語表記)methodological individualism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「方法論的個人主義」の意味・わかりやすい解説

方法論的個人主義
ほうほうろんてきこじんしゅぎ
methodological individualism

社会分析単位を主として「個人」に求めるアプローチで,個人の心理行為,個人間の相互行為などから社会が成立していると考える。 M.ウェーバー理解社会学方法がその代表的なものである。これに対して,社会を,多かれ少なかれ実在的なものとみなし,個人の心理や行為に究極的には還元できないと考え,その分析の単位を「集合」 (社会) に求めるアプローチを方法論的集合主義 methodological collectivismと呼ぶ。 E.デュルケムが「社会的事実」や「集合表象」を扱う方法がその代表的なものである。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の方法論的個人主義の言及

【メンガー】より

…これは新歴史学派(〈歴史学派〉の項参照)に対するメンガーの批判がその執筆の重要な契機となっている。同書の中で,後に〈方法論的個人主義〉と呼ばれる手続で,部分から社会全体の構造を再構築する方法を展開している。メンガーは,歴史学と理論の性質や役割を区別することが,方法論上の混同を避けるためにも重要だと考えていたのである。…

※「方法論的個人主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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