日勝峠(読み)につしようとうげ

日本歴史地名大系 「日勝峠」の解説

日勝峠
につしようとうげ

日高支庁日高町と十勝支庁清水しみず町の境界にある。熊見くまみ(一一七五メートル)とペケレベツ岳(一五三二メートル)の鞍部を越える峠で、峠の下をトンネル国道二七四号が通る。標高は一一〇六メートルで、車両が通行する峠としては日高山脈中最も高い。この峠の道は一八〇〇年(寛政一二年)蝦夷地取締御用掛松平忠明の命により、皆川周太郎が実地踏査したのに始まる(「寛政日勝道路考」郷土十勝)。日高の沙流さる上流部から十勝へ往来の経路について、「東蝦夷地場所大概書」には沙流川千呂露ちろろ川合流点から一五里ほど上流の「シケヤリ」というところから「美老 戸勝川え越える山道あり」とみえる。

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改訂新版 世界大百科事典 「日勝峠」の意味・わかりやすい解説

日勝峠 (にっしょうとうげ)

北海道南部,日高支庁日高町と東部の十勝支庁清水町の境をなす日高山脈中の峠。標高1328m。国道274号線(日勝道路)が通り札幌帯広間の最短コースとして物資輸送と観光に重要な役割を果たしている。峠の周辺は山脈中の大原始林で,広大な十勝平野と大雪連峰の眺めがすばらしい。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「日勝峠」の意味・わかりやすい解説

日勝峠
にっしょうとうげ

北海道中南部、日高振興局管内の日高町日高地区と十勝(とかち)総合振興局管内の清水町(しみずちょう)との境界にある峠。標高1023メートル。日勝道路(国道274号)が日高山脈のこの峠をトンネルで横断する。1965年(昭和40)の日勝道路の開通によって、札幌―帯広(おびひろ)間は狩勝峠(かりかちとうげ)経由よりも約30キロメートル短縮され、道央、道東連絡の最短路となった。

[進藤賢一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日勝峠」の意味・わかりやすい解説

日勝峠
にっしょうとうげ

北海道中央部,日高町と清水町の境にあり,日高山脈を越す峠。標高 1096m。地名は日高,十勝両国の境を意味する。 1955年両町を結ぶ日勝道路の建設に着手,65年 10月 15日開通。標高 1023mの地点に長さ 580mのトンネルがあり,十勝側の第1展望台 (743m) から十勝平野を展望できる。札幌,帯広を結ぶ国道 274号線が通じ,峠付近には高山植物がみられる。日高山脈襟裳国定公園に属する。

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