日文(読み)ヒフミ

デジタル大辞泉 「日文」の意味・読み・例文・類語

ひ‐ふみ【日文】

漢字の渡来以前、日本で使用されたと称される、いわゆる神代じんだい文字の一。平田篤胤ひらたあつたねが、対馬つしま国に秘伝したものと主張したが、実は朝鮮ハングルに模して偽作されたもの。「ひふみよいむなや」で始まる47音の文字があげられている。

にち‐ぶん【日文】

日本文学」の略。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「日文」の意味・読み・例文・類語

ひ‐ふみ【日文】

〘名〙 漢字の渡来前、日本で使用したと称せられる一種音節文字。「いろは」に当たる四七字で、古代遺物ではなく、近世、ハングルを模してつくられたとされる。
神字日文伝(1819)上「右の日文四十七字は、行文と有れど真字と見ゆ。此を伝へたる阿比留氏対馬国卜部と有れば」

にち‐ぶん【日文】

〘名〙

ひ‐ぶみ【日文】

〘名〙 毎日、手紙を書いて送ること。また、その手紙。
浮世草子・傾城武道桜(1705)初「日にっきは一年二年めの正月より日文といふを取りかはし」

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世界大百科事典(旧版)内の日文の言及

【神代文字】より

…ただ,いわゆる愛国者とか軍人などのなかには,昭和年代に入ってさえ,その存在を信ずるものがあって,政治問題にまでも発展しかねない事件を引き起したことがある。 一口に神代文字といっても,そのなかにはいろいろの種類があって,神代文字の存在を支持する人々の間においても,どれを真の神代文字と認めるかについては論の一致をみないが,多くの人々によって最も有力なものとみなされたのは,日文(ひふみ)と呼ばれる一類である。しかしこれは明らかに,朝鮮のハングル(諺文(おんもん))に基づいて作られたものである。…

※「日文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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