日牟礼八幡宮(読み)ひむれはちまんぐう

日本歴史地名大系 「日牟礼八幡宮」の解説

日牟礼八幡宮
ひむれはちまんぐう

[現在地名]近江八幡市宮内町

鶴翼かくよく山の南麓八幡堀の北側に位置する。誉田別ほんだわけ命・比売ひめ神・息長足姫おきながたらしひめ命の三神を祀る。旧県社。古くは比牟礼社といい、檜牟礼・日群・日触・比布礼などとも記し、のちには単に八幡神社とも称された。境内大島おおしま神を祀る摂社大島神社がある。

〈近江・若狭・越前寺院神社大事典〉

〔創祀〕

草創は寛弘年間(一〇〇四―一二)のことといわれる(「日触八幡神社記」社蔵ほか)。以前には鶴翼山上に上社(上八幡)があり、天正一三年(一五八五)の築城時に当社(下社、下八幡)に合祀されたと伝える。「輿地志略」は社家の伝承と付して「比牟礼社山の宮柱太しく立て上の社と号し、山下神功皇后・玉依姫を祭る」と記す。また上社は現滋賀県多賀たが興隆こうりゆう寺の、下社は現近江八幡市小船木こぶなき願成就がんじようじゆ(成就寺)の鎮守社であったと伝え(八幡町史)、両寺とも八幡築城時に鶴翼山中から現在地に移転したという。

〔中世〕

中世、当地は比牟礼荘の荘域に含まれていたと考えられるが、当社神官は同荘の荘官を兼務しており(承久三年八月一三日「広沢某下文案」社蔵など)、あるいは同荘は当社領が荘園化したものか。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「日牟礼八幡宮」の解説

日牟礼八幡宮

滋賀県近江八幡市にある神社。八幡山の南麓に位置する。“日牟礼”は「ひむれ」と読み、古くは「比牟礼社」などとも呼ばれた。平安時代の創祀とされ、祭神は誉田別尊(ほんたわけのみこと)、息長足姫尊(おきながたらしひめのみこと)、比売神(ひめがみ)。早春左義長まつり(国選択無形民俗文化財)が知られる。

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