日米漁業交渉(読み)にちべいぎょぎょうこうしょう

百科事典マイペディア 「日米漁業交渉」の意味・わかりやすい解説

日米漁業交渉【にちべいぎょぎょうこうしょう】

北太平洋をめぐり,日本・米国間,あるいはこれにカナダを加えた3国間での漁船操業についての一連の交渉をいう。1952年,第2次世界大戦後初めての国際条約である日米加漁業条約が東京で調印された。これは北太平洋の公海上での漁業の持続的な生産性の確保を目的にしたもので,この条約によって日本は,西経175゜以東の北太平洋でのサケ・マス・オヒョウ・ニシンの漁獲を自発的抑止の形で禁じられた。その後1977年には米国の200カイリ水域設定に伴い日米漁業協定が発効,1979年には日米加漁業条約の改定議定書が発効した。日本は西経175°以西の米国200カイリ水域でのサケ・マス漁を認められたが,1988年以降は割当量がゼロとなった。日米漁業協定は1983年に米国の国内法を反映して新日米漁業協定として発効したが,1992年に日本・米国・カナダ・ロシア間で北太平洋サケ・マス保存条約が締結されて,日米加漁業条約とともに廃止された。この廃止に伴い同年11月,新たに日米漁業協議委員会が設けられ,定期的に意見交換が行われている。最近では国際的に注目されている捕鯨問題,ワシントン条約問題等が協議されている。→漁業水域サケ・マス漁業北洋漁業

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