旨旨(読み)ウマウマ

デジタル大辞泉 「旨旨」の意味・読み・例文・類語

うま‐うま【旨】

形容詞うまい」の語幹を重ねた語》
[名]《おいしい物の意で》食べ物をいう幼児語
[副]
巧みなやり方で、物事自分の思いどおりに進めるさま。まんまと。「旨旨とだまされた」
「―名を揚げ身をたつるか」〈露伴五重塔
物事をじょうずに行うさま。
古注根元を―とせぬ程に誤りが多いぞ」〈蒙求抄・序〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「旨旨」の意味・読み・例文・類語

うま‐うま【旨旨】

[1] 〘名〙 (「うま」は形容詞「うまい」の語幹) 幼児語。
① 乳。母乳
歌舞伎霊験曾我籬(1809)八幕「ドレドレ、うまうまを呑ませませうか」
② おいしいもの。食べ物。
※歌舞伎・四天王楓江戸粧(1804)四立「何ぞうまうま買うてやりたいが、山中の事なれば、自由にならぬ」
[2] 〘副〙 (「うま」は形容詞「うまい」の語幹。「うまうまと」の形をとることもある。まれに「うまうまする」の形もとる)
① おいしく感じられるさま。また、快く感じられるさま。
※玉塵抄(1563)五「うまうまとねむることあり、ねむりを、黒甜と云は、ねむったが、うまうまとあまい物を、くうやうな心ぞ」
② とてもうまく。手ぎわよく。たくみに。まんまと。
史記抄(1477)六「理も不清して、うまうまともないが、此本に作謂たは文も義理もよいぞ」
※歌舞伎・勝相撲浮名花触(1810)中幕「お身様をだしに使ひ、白藤ぐるめ一ぱいはめ、短刀に切れ文を、骨折らずに取ったのだ。なんと、うまうました狂言か」
狂乱(1922)〈近松秋江〉六「この旦那は、可哀さうな私とは正反対に好きな女をうまうまと自分の持物にし了せて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android