早崎流(読み)はやざきりゅう

世界大百科事典(旧版)内の早崎流の言及

【地歌】より

…とくに柳川が〈カタバチ(片撥)〉(撥を弦にあてて胴皮におろす普通の弾き方とスクイ撥が交互になるモロバチが本手には用いられたが,これに対して普通の弾き方のみが連続する)の奏法によって新作したものを〈破(端・葉)手(はで)〉と称してから,それ以前のものを,狭義の〈本手組〉(表組)と称した。元禄期(1688‐1704)には,京都では早崎(はやさき)勾当(?‐1717),大坂では野川検校を中心に異なる伝承体系を生じ,前者を早崎流ないし柳川流,後者を野川流と称した。現在では,京都の伝承は6曲ほどのみであるが,大阪では32曲のすべてが伝承され,表組,破手組,裏組,中組,奥組に分類される。…

【柳川検校】より

…没後,1703年(元禄16)に刊行された《松の葉》には,浅利検校を経て早崎検校に伝承されたものが収録された。その後,深草検校の作品を加えたものが,早崎流として伝えられ,69年(明和6)には,田中検校によって楽譜化も試みられて,《五線録》が編集された。以後,安村,河原崎,上原,桂,富士岡の各検校に伝承され,明治期には古川滝斎が《柳川流本手組大意全書》を著したりして,柳川流三味線組歌の普及を図ったが,しだいに廃れ,現在ではわずか6曲ほど伝承されているにすぎない。…

※「早崎流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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