明和伎鑑(読み)めいわぎかん

改訂新版 世界大百科事典 「明和伎鑑」の意味・わかりやすい解説

明和伎鑑 (めいわぎかん)

歌舞伎資料。淡海三麿,本名栗本兵庫作。1769年(明和6)刊。小本1冊。内容は劇場関係者の総名簿ともいうべきもの。役者については名前,俳名屋号,紋,住所,評価などをのせ,系図略伝に及ぶ。後半に茶屋,番付板元,狂言作者囃子方木戸番,火縄売りなど劇場関係者700名余りの名前と居所網羅掲載している。劇場名鑑であるとともに,素人向けの芝居案内書でもあり,江戸におけるこの種の出版物としては最も早いもの。体裁を〈武鑑〉に模したため,発禁処分を受けたと伝えられる。《日本庶民文化史料集成》第6巻に収録。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android