明礬(読み)みょうばん

精選版 日本国語大辞典 「明礬」の意味・読み・例文・類語

みょう‐ばん ミャウ‥【明礬】

〘名〙 硫酸アルミニウムナトリウムカリウムなどのアルカリ金属、アンモニウムタリウムなどの硫酸塩との複塩総称。特に硫酸カリウムとの複塩のカリウム明礬を明礬と呼ぶことが多い。無色透明の正八面体結晶。熱すると結晶水を失って白色粉末の焼明礬になる。水によく溶け、溶液は弱酸性で、収斂(しゅうれん)性がある。皮のなめし、止血剤媒染剤製紙などに用いられる。〔いろは字(1559)〕
評判記秘伝書(1655頃)なみだのひしよの事「なきたきときは、〈略〉そでぐちに、みゃうばんをぬり、袖にてぬくへば、そのまま、なみだたるもの也」

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デジタル大辞泉 「明礬」の意味・読み・例文・類語

みょう‐ばん〔ミヤウ‐〕【明×礬】

カリウムアンモニウムナトリウムなどの一価イオン硫酸塩と、アルミニウムクロム・鉄などの三価イオン硫酸塩とが化合した複塩の総称。硫酸カリウム硫酸アルミニウムとが化合したカリ明礬KAl(SO42・12H2Oが古くから知られ、これをさすことが多い。いずれも正八面体の結晶をつくり、水に溶ける。媒染剤・皮なめし・製紙や浄水場沈殿剤など用途が広い。

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改訂新版 世界大百科事典 「明礬」の意味・わかりやすい解説

明礬[温泉] (みょうばん)

鹿児島県北東部,霧島市霧島温泉郷に含まれる温泉。ミョウバン泉,硫黄泉,40~60℃。霧島連山の最高峰韓国(からくに)岳山麓にある。古くから湯治場として親しまれ,近年韓国岳への登山客や保養客にも利用されている。旅館は1軒だけであるが,湯滝や温泉プールなどもある。日豊本線霧島神宮駅から林田温泉経由でバスが通じる。
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