明神池(読み)みようじんいけ

日本歴史地名大系 「明神池」の解説

明神池
みようじんいけ

[現在地名]萩市大字椿東 越ヶ浜

かさ山の東麓にある。もと海であったが、笠山と本土が砂州によって埋められたとき残った海跡湖。国指定天然記念物。

「地下上申」およびその添付絵図に「御池」と記され、「八江萩名所図画」は「御茶邸の池」とするが、土地の人は「御茶屋の池」と称した。池の東畔に藩主の休息用の御茶屋が設けられていたためである。大正末年頃から池畔の厳島いつくしま明神社(現厳島神社)にちなみ明神池とよばれるようになった。

文久三年(一八六三)八月一八日の政変によって長州に下った三条実美は、同年一一月藩主毛利敬親に誘われてこしはまの御茶屋に遊び、明神池の魚の群をみて「この国の濁らぬ水にすむ魚は遊ぶさまさへ勇ましきかな」と詠じた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「明神池」の意味・わかりやすい解説

明神池
みょうじんいけ

長野県西部,飛騨山脈中の上高地にある小湖。梓川右岸の堰止湖で,穂高岳に続く明神岳の直下にある。湖畔モミシラカバコメツガ,シャクナゲなどにおおわれる。湖面標高 1540m。一ノ池,二ノ池,三ノ池に分れるが互いに通じ,三ノ池は 1945年の洪水土砂が堆積し瀬になった。一ノ池畔には穂高神社の奥社がある。湖底には水草イチョウバイカモが繁茂新緑と紅葉が美しい。中部山岳国立公園に属する。

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事典・日本の観光資源 「明神池」の解説

明神池

(長野県東御市)
信州の高原・湖沼百選」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

世界大百科事典(旧版)内の明神池の言及

【上高地】より

…また梓川の流域はニホンカモシカやツキノワグマなどの野生動物やイワナなどの川魚の宝庫で,冬には狩猟,夏には漁労のため上高地に入る人々も多く,現存する嘉門次小屋は,猟師小屋の典型であった。明治中ごろから昭和初めまで徳沢から明神池,小梨平にかけて,国有林を借りて夏の間牛が放牧されていたが,上高地の観光地化とともに廃止された。その際利用された牛番小屋が徳沢園である。…

※「明神池」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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