時規物語(読み)とけいものがたり

百科事典マイペディア 「時規物語」の意味・わかりやすい解説

時規物語【とけいものがたり】

金沢藩主前田斉泰(なりやす)の命で遠藤高【のり】(たかのり)らが編集した越中船長者丸漂流記録。全10巻,本文24冊,付録1冊,1850年完成。長者丸(650石,10人乗り)は1838年旧11月,仙台藩領唐丹(とうに)港(現在の岩手県釜石市)を出帆後漂流し,翌年4月米国捕鯨船に救助されハワイへいき,次いでカムチャツカ半島オホーツクシトカ択捉(えとろふ)島と順次送還され,1843年松前を経て江戸へ帰着した。→船長日記北槎聞略

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「時規物語」の意味・わかりやすい解説

時規物語
とけいものがたり

江戸時代末期の漂流記。遠藤高 璟 (たかのり) 編著。 10巻。嘉永3 (1850) 年成立。天保9 (1838) 年 11月越中船『長者丸』 (650石,10人乗り) は唐丹港出帆後,仙台領沖合いで遭難。6ヵ月間漂流ののち,アメリカ捕鯨船に救助され,ハワイ,カムチャツカ,オホーツクなどを経て,同 14年択捉 (えとろふ) 島に送還され,嘉永1 (48) 年故郷越中に帰った。加賀藩主前田斉泰の命により遠藤が生還者4人の供述をもとに編集したもので,完成後,藩主に献上されたという。

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