晩景(読み)ばんけい

精選版 日本国語大辞典 「晩景」の意味・読み・例文・類語

ばん‐けい【晩景】

〘名〙
夕日の影。夕陽
※玉塵抄(1563)三三「とうどくれはせぬぞばんげいが残たぞ」 〔戴叔倫‐京口送皇甫司馬詩〕
夕方のけしき。
※菅家文草(900頃)四・三月三日、侍於雅院。賜侍臣曲水之飲「近臨桂殿廻流水 遙想蘭亭晩景春」
③ (古くは「ばんげい」) 晩方。夕方。晩気(ばんげ)
経国集(827)一〇・夏日同美三郎〈略〉作〈小野年永〉「晩景雲烝雨初下」
[語誌](1)「色葉字類抄」では、「バンゲイ」、室町時代の節用集も多く「バンゲイ」とする。「日葡辞書」では、「Banqei(バンケイ)」は「夕方の景色」、「Banguei(バンゲイ)」は「ほぼ午後四時以降」として、読み方の違いが意味の違いに関わっている。
(2)「書言字考節用集‐二」「和英語林集成(初版)」に「バンケイ」とあるところから、江戸時代中期以降は「景」は清音で読まれた可能性が高い。

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デジタル大辞泉 「晩景」の意味・読み・例文・類語

ばん‐けい【晩景】

夕方の景色。夕景
夕方。夕刻
「又同日の―に」〈太平記・三三〉
[類語]景色山色さんしょく水色すいしょく白砂青松はくしゃせいしょう野色やしょく野景柳暗花明りゅうあんかめい春景煙景秋景雪景夕景せっけい・ゆうけい暮景夜景

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「晩景」の読み・字形・画数・意味

【晩景】ばんけい

夕日。また、夕景色。唐・杜甫〔徐九少尹、過(よぎ)らる〕詩 景、村僻(へき)にして 行軍(行軍長吏)、數騎來(きた)る

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