普通法[ドイツ](読み)ふつうほう[ドイツ](英語表記)gemeines Recht

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「普通法[ドイツ]」の意味・わかりやすい解説

普通法[ドイツ]
ふつうほう[ドイツ]
gemeines Recht

15~16世紀のローマ法継受以来,ドイツ民法典 BGB施行まで,各地方の慣習固有法に対して,補充的効力をもつ私法として機能したドイツ全土の共通法。中央集権を欠く当時のドイツの法状態は法の地方分権として現れた。この法状態を是正するため,註釈学派の注釈つきローマ法と教会法が導入され,これが普通法となった。普通法は補充的効力しかもたないものとされたが,裁判実務においては実質上他の法源に優先して適用され,ドイツ私法の形成に大きな影響を与えた。このように継受されたローマ法を中核として発達した普通法は,ドイツ固有法の法典化がプロシア一般ラント法 (1794) を経て,ドイツ民法典 Bürgerliches Gesetzbuch (1900) によって達成されるまで,ドイツ私法を支配していた。

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